日本の労働生産性の動向2021調査~(公財)日本生産性本部
(公財) 日本生産性本部は11月11日、「日本の労働生産性の動向 2021」を発表しました。
長引くコロナ禍により新しい暮らし方や働き方の模索が続く一方、日本におけるデジタル化の後れも指摘されているなか、生産性向上の必要性や意義はますます高まっています。当本部では、経済成長や働く人の豊かさを実現する政策立案や施策の展開に役立てるため、日本の労働生産性の現状を定点観測・分析して公表しています。
2020年度の日本の時間当たりの名目労働生産性は、4,986円でした。コロナ禍で経済成長率は大きく落込みましたが、企業で労働時間短縮が進んだため、前年度水準を+0.1%上回りました。実質ベースの労働生産性上昇率は前年度比-0.4%でした。2020年4~6月期に大幅なマイナスとなった実質労働生産性上昇率は、2020年後半は回復傾向にありましたが、2021年に入ると消費停滞のあおりで再び低迷しています。
<概要>
1.2020年度の日本の時間当たり名目労働生産性は4,986円。実質(時間当たり)労働生産性上昇率は前年度比-0.4%。2020年後半は回復に転じたものの、2021年に入って再び低迷
- 2020年度の日本の時間当たり名目労働生産性(就業1時間当たり付加価値額)は4,986円。コロナ禍で実質経済成長率が大幅なマイナスとなったが、企業における労働時間短縮が進んだことなどから、名目ベースの労働生産性水準は前年度を若干上回った(2020年度の物価上昇(+0.6%)を織り込んだ時間当たり実質労働生産性上昇率は前年度比-0.4%)。
- コロナ禍の影響を四半期ベースでみると、2020年4~6月期の実質労働生産性上昇率(季節調整済値ベース)は、前期比-2.8%と大幅なマイナス。これは、2009年1~3月期(-3.1%)に次ぐマイナス幅。2020年後半は反動で労働生産性も回復に向かっていたが、2021年に入ると消費停滞のあおりで再び低迷するなど、ベクトルの定まらない不安定な局面が続いている。
2. 2020年度の日本の一人当たり名目労働生産性(就業者一人当たり付加価値額)は805万円。実質(一人当たり)労働生産性上昇率は-3.4%で、1995年度以降で最大のマイナス幅
- 2020年度の日本の一人当たり名目労働生産性(就業者一人当たり付加価値額)は805万円で、3年連続で前年度を下回る状況が続いている。
- 実質ベースの一人当たり労働生産性上昇率は前年度比-3.4%。現行統計で比較可能な1995年度以降でみると最大のマイナス幅になった。
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